アウトドア系ファブリック

アウトドア系ファブリックとは

「軽く、しなやか、優れた速乾性」という特徴をもつPERTEX シリーズや、過酷な使用条件や寒さ等の対応可能な化学繊維生地など、スポーツに優れた機能的な生地が特徴です。


—PERTEX (パーテックス)シリーズ—

1979年、綿織物やパラシュート用ナイロン素材を作っていたイギリスのメーカー・Perseverance Mills社によってPERTEXは開発されました。その軽さとしなやかさ、優れた速乾性に注目した英国の登山家、ラブ・キャリントンはPERTEXを使用したシュラフとダウンジャケットを製作し、これをきっかけにPERTEXは一気にアウトドア素材として普及。
PERTEXには様々な種類がありますが、いずれにも共通するのが「軽く、しなやか」という特徴です。


—PERTEX QUANTUM—
(パーテックス・クァンタム)

20デニール以下の極細糸を高密度に織り上げている為非常に軽量で、引裂強度と縫い目強度も優れている。ダウンが抜け出しにくく(ダウンプルーフ)、重量は約30~35g/m2と羽の様に軽量(フェザーライト)。10デニール以下の超極細糸を使ったQUANTUM GLは重量25g/m2とさらに軽量。


—PERTEX MICROLIGHT—
(パーテックス・マイクロライト)

30デニールクラスの高強力ナイロン糸を高密度で織り上げている。防風性、撥水性に加え強度・耐久性に優れる。


—PERTEX CLASSIC—
(パーテックス・クラシック)

長い期間アウトドア市場で展開されてきた、PERTEXのコアライン。高強力40デニールナイロン糸を素材とし、高い耐久性とコストパフォーマンスを発揮している。


—PERTEX ENDURANCE—
(パーテックス・エンデュランス)

防水・防風性のある極薄ポリウレタンメンブレン(皮膜)を耐久性の高いナイロンファブリックの表面にコーティングしている。耐水圧は1,000mm、水分を寄せ付けず、ダウンや中綿を長時間ドライに保ち、最大の保温効果を持続する。


—PERTEX EQUILIBRIUM—
(パーテックス・イクリブリウム)

素材の内側には太い糸、外側には極細糸が使われており、水分はフィラメントの大きい方から小さい方へ移動する、いわゆる毛細管現象によりウェア内の汗を素早く吸収し表面で発散させる。その際気化熱が奪われるため、オーバーヒートした内部の温度が下がり、結果過剰な発汗を抑制する効果を生む。


—PERTEX SHIELD—
(パーテックス・シールド)

いわゆる防水透湿素材。PERTEXの特徴である軽さと柔軟性耐久性を生かしながら、耐水圧10,000mm、透湿性7,000g/㎡の性能を備える。より改良されたPERTEX SHIELD+(プラス)は耐水圧20,000mm、透湿性20,000g/㎡を誇り、より軽くしなやかになっている。


—COOLMAX(クールマックス)—

綿素材よりも5倍の速さで汗を吸収・蒸散し、体の快適な湿度を保持し、体温を下げる素材。なお、クールマックスRオールシーズンテクノロジーという素材は暑い時には体から汗を吸い上げ素早く蒸散し涼しくドライな着心地はもちろん、寒い時には繊維構造により暖かさを保ちます。


—SOLOTEX (ソロテックス)—

株式会社帝人フロンティア(TEIJIN)が開発。ポリエステルの仲間であるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を使用した繊維です。特徴として「ソフト」「形態回復」「ストレッチ」「クッション性」などがあり、あらゆる商品に導入されています。


—ALPHADRY (アルファドライ)—

高い吸汗拡散性を誇る微多孔質活性粒子を練り込んだポリエステル繊維。身体から出る赤外線エネルギーで水蒸気の蒸発を促進し、衣服内の温度と湿度を一定に保つ。


—CORDURA(コーデュラ)—

ナイロンの7倍もの強度を持つ耐久性に優れた繊維で、インビスタ社の登録商標。高機能の衣服、用具、ワークウェアに使われる「丈夫な素材」。現在ではさらに耐久性が必要とされる衣服や用具から日常着にいたるまで様々な製品に使用されている。


—2レイヤー、3レイヤー関して—

レイヤーは層を意味するので、2レイヤーは2層構造の生地。3レイヤーは3層構造の生地のことになります。一般的には、表面に丈夫な化学繊維生地を、裏には透湿素材等を接着した物が2レイヤーです。透湿素材の傷みが激しいと想定される、過酷な使用条件や寒さ等の対応し、更に裏地を付けた物が3レイヤーとなります。当然、レイヤー数が多ければ丈夫になりますが、一方で重たく着心地が良くありません。また高価になる欠点もあります。


—60/40クロス(ロクヨンクロス)—

コットン60%とナイロン40%をブレンドした混紡素材。1960年発祥のオーセンティックな素材ながらも、コットンよりも通気性が高く、ナイロンに比べて耐摩耗性に優れていて機能的。水分を吸収すると、繊維が膨張して撥水性も発揮する。使うほどに風合いが出るので、愛着を持って使い続けられる素材でもある。


—シームテープ—

シームテープ(シーム剤)とは「生地の縫い目」を防水するための防水、あるいは防水剤(ゴムなど)です。


—止水ジッパー(止水ファスナー)—

通常のコイルファスナーの裏側にポリウレタンフィルムをラミネートし、強力な撥水性を持たせたファスナーのこと。ウェアやバッグなどのジップ部分からの水の侵入を防ぎます。YKK製品ではAquaGurad (アクアガード)とも言います。


—ドローコード—

紐通しをつけて引き紐を通したディティール。バネ式のストッパーにゴムが通されている形状のものが多く、主にジャケットの裾やパンツの裾に用いられ、シルエットの調節や防風などのために付属している。


—バリスティックナイロン—

デュポン社が軍用に開発した、通常のナイロンに比べて5倍の強度を持つといわれている繊維。耐摩耗性に優れるうえ撥水性も高く、アメリカでは防弾ベストの素材としても利用されている。またデニールと呼ばれる繊維の太さの単位があり、長さ450メートルで0.05グラムが1デニール。長さが同じで重量が2倍・3倍ならば2デニール・3デニールとなる。数字が大きくなるほど重量があり、また強度が高くなる。


—ベンチレーション—

衣服内温度と湿度を快適に保つための換気機能。
ジャケットでは脇の下に付いており、ジップなどで開閉し、熱を外に放出する仕組み。


—リップストップナイロン—

「RIP = 裂く」の意味を持ち、裂けを防ぐナイロン地のこと。生地の表面に網目状の補強が施されているため、裂けにくく非常に丈夫な素材。


—吸汗速乾(きゅうかんそっかん)—

毛細管現象を利用し、汗を素早く吸収して乾かす素材のこと。衣類内を常にドライで快適な状態にキープしてくれる。主にベースレイヤーに用いられ、運動後の汗冷えを防止する効果も。最近ではUVカットや汗の防臭効果を加える、機能的な素材も続々と登場している。


—ネオプレン—

合成ゴム素材の一つで、新素材の開発に尽力するデュポン社の登録商標。強度を保ちながら耐熱性と耐寒性に優れているため、サーフィンのウェットスーツや缶を収納するクージーに使用されている。クッション性も高く、PC用のケースにも採用されることが多い。


—パッカブル—

直訳すると「包装が可能な」という意味。折り畳んでコンパクトになるアウターやバッグなどのことを指し、ポケットに本体を丸ごと収納できるタイプを「ポケッタブル」とも言う。パッカブルタイプのバッグは荷物が増えてしまう旅先でのサブバッグとして活躍してくれる。

 
 

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